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SOFRIA JOURNAL ESSAY 04 / 05

偽物を見分けるための確認方法とその限界

URL、画像の出典、発言の元になった映像。見た目だけでは分からないことを確かめる方法と、それぞれの限界を紹介します。

ガラスに映る器と中央の実物を見比べる黒猫。ピンクのリボンがそれぞれを結んでいる
目に入った像から、元の情報へたどり直す。出典を確認する行動を表したAI生成のイメージ。

はじめに

偽物を見破る方法があるなら、知っておきたい。ここまで読んで、そう感じた方もいると思います。私も同じです。顔や声を見聞きして、その場で答えを出せれば、どれほど安心でしょう。

ただ、「不自然なところが見つからなかった」と「本物だと確認できた」の間には、まだ距離があります。今回は、URLや画像の出典を調べる方法を紹介します。どれも、分からないことを少しずつ減らすための道具です。答えが出なければ、そのまま取引を保留して構いません。

URLは会社名が含まれるだけでは不十分

URLは、インターネット上のページの場所を表す文字列です。その中のドメイン名は、サイトの所在を確かめる手がかりになります。

例えば、公式サイトが shop.example.com だと仮定します。shop.example.com.fake.example という文字列には同じ店名が含まれていますが、別の所在です。fake.example/shop.example.com のように、後ろの部分に店の名前を入れることもできます。いずれも説明用の架空の例で、実際に開く必要はありません。

店の名前が含まれていると、それだけで見覚えのある場所に思えてしまいます。でも、途中に会社名があるだけでは確認になりません。長いURLをスマートフォンの小さな画面で読み比べるのがつらければ、無理にそこで決着をつけなくて大丈夫です。

警察庁も、似たドメインやリンクの偽装があるため、見た目だけで真偽を判断するのは難しいとしています。確認済みのブックマークや公式アプリから開き直す方法が案内されています。検索を使う場合も、検索広告から偽サイトへ誘導される手口があることを忘れないでください。警察庁のフィッシング対策

HTTPSは販売者の誠実さを保証しない

URLの先頭にある https は、通信を暗号化する仕組みを示します。販売者が商品を届けるか、広告の説明が本当かまで保証するものではありません。FTCも、詐欺師が暗号化を使うことは可能であり、HTTPSだから正当なサイトとは限らないと説明しています。FTCのオンラインショッピングに関する説明

通信が暗号化されていても、その先にいる相手が信用できるかは別に確かめます。ロゴがきれいに並んでいたり、画面が使いやすかったりしても、その点は変わりません。

画像を検索して元の掲載先を探す

画像の逆検索とは、写真などを手がかりに、似た画像や掲載先を探す方法です。Google レンズなどが利用できます。Googleの画像検索の公式ヘルプ

公開広告の写真を調べるなら、次のように進めます。

  1. 広告の画像を保存するか、スクリーンショットを撮る。
  2. Google レンズなどの画像検索に画像を指定する。
  3. 結果の見出しだけで判断せず、元の掲載ページと日付、説明文を確認する。
  4. 広告で示された人物や出来事と、掲載元の説明が合っているか比べる。

例えば、「新製品を使った人」として紹介されていた写真が、何年も前の別の記事で見つかったら。その広告の説明を、もう一度確かめたくなるはずです。一方、同じ写真が複数の場所にあるだけでは不正使用とは言えません。許可を得て使われている場合もあります。見つかったページを開き、何の写真として載っているのかまで読んでみてください。

検索結果が出ない場合も、本物だという証明にはなりません。公開されていない画像や、検索に登録されていない画像もあります。逆検索はAI製かどうかを判定する検査ではなく、来歴を調べる補助として使いましょう。

なお、画像検索では外部サービスに画像を渡す場合があります。身分証、個人の会話、家族の非公開写真を、そのまま調査用にアップロードしないようにしてください。

発言は元の映像と公式発表に戻る

著名人の短い動画や、ニュース記事らしいスクリーンショットを見たら、その人物や報道機関の公式サイトで元の発信を探します。発言の前後、公開日、何について話したのかを確かめるためです。

元の映像が見つかると、ほっとするかもしれません。そこで、もう一つ。本人は本当に、その商品を勧めているでしょうか。本物の発言でも、前後を外して別の説明を添えれば、受け取る意味が変わることがあります。映っている人と、広告が伝えようとしている内容の両方を確かめたいところです。

生成物かどうかを調べる判定ツールを使う場合も、結果だけで支払いを決めないでください。「AIではなさそう」という結果が出ても、発信者の本人確認や商品の実在確認まで済んだことにはなりません。ツールが何を判定しているのかを分けて考える必要があります。

確認できないときの行動まで決める

まずは普段使う銀行や通販の公式サイトを確かめて、ブックマークしておきましょう。何か届いたときに「ここから入り直せばよい」と分かる場所があるだけでも、毎回URLを読み解く負担を減らせます。

調べたのに、結局よく分からない。そんな日もあると思います。それなら購入も送金も、身分証の提出も待ってください。「自信を持って見破れなかった」は、失敗ではありません。分からないまま渡さずに済んだなら、確認した意味はあります。

次回は最終回です。こうした確認を家族や日常生活の習慣にし、もしお金や情報を渡してしまった場合にも動けるよう、備えをまとめます。

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